第18話 Dreaming Place

(前略)

──女子寮

卯月
「お、お邪魔しま~す。」

美穂
「ふふっ。ただいまで、いいんだよ。」

卯月
「あ、そっか……じゃあ、ただいま!」

美穂
「おかえりなさい♪」

紗枝
「あら、美穂はん。おつかれさん~。おや、珍しいなぁ。卯月はんも。」

美穂
「ただいま~。」

卯月
「お邪魔してま~す。」

周子
「お、美穂ちゃんに卯月ちゃんじゃん。仲良しだねー。」

紗枝
「美穂はん、今日はお疲れやったなぁ。どやった~?」

美穂
「うんっ、おかげさまで、いいLIVEステージになったよっ!」

紗枝
「おー、よかったわぁ。毎晩のように練習してはったもんなぁ。」

周子
「そしてそれを毎晩気にしてる紗枝はんも、お人好しやね。」

紗枝
「そうそう、うち、世話焼きやから~。」

美穂
「ふふっ。応援してくれて、ありがとうね♪」

紗枝
「ええって~。まぁ、お礼がしたい、言うんやったら止めへんけど♪」

周子
「ほらほら、紗枝はん、本音でてるよー。」

卯月
「ふふっ! みんな、仲が良いんですね! いつの間にお友達になったの?」

美穂
「紗枝ちゃんは、昔、着付けを手伝ってもらって、それから仲良くなったんだよね。」

紗枝
「そないなこともあったなぁ。懐かしいわぁ。」

周子
「あー、紗枝はん、着付けのときだと便利だよねー。するするするーって着せてくれるもん。」

紗枝
「あら周子はん、便利やなんて、そない褒めんといてー。」

周子
「そう、褒めてる褒めてるー。だから今度もお願いね~。」

紗枝
「うふふー。美穂はんも卯月はんも、和装になるときは、うちが手伝ったりますえ~♪」

卯月
「あっ、は、はい……じゃあ、機会があったら、ぜひお願いしますね!」

美穂
「ふふっ。アイドルだと、和服を着ることも多いもんね!」

周子
「てゆーか、2人とも帰ってきたばっかりで、こんなところで立ち話もなんじゃない?」

紗枝
「あら~、気いつかんと、えろうすんまへんなぁ。」

美穂
「ううん、大丈夫! じゃあ、私たち部屋に戻るね!」

周子
「うんー。あ、お風呂、今だったら空いてると思うよー。」

紗枝
「お腹空いてはるなら、食堂になんかあったかなぁ。」

卯月
「お風呂……食堂……寮って感じですね!」

美穂
「ふふっ! 大丈夫だよ! 2人とも、ありがとうね!」

周子
「ほいほーい。」

紗枝
「ほな、おやすみやす~。」

──美穂の部屋

美穂
「ふぅ~。あっ、卯月ちゃん、どうぞ入って。」

卯月
「お邪魔しま~す。」

美穂
「……ここが、地元から出てきてからの、私のお家なんだ。ゆっくりしてね。」

卯月
「すごい、整理整頓されてる……。」

美穂
「そうかな? 親が厳しかったから、つい……。」

卯月
「うちのママは優しいから、散らかってると片付けてくれるんだ。だから、つい散らかっちゃって……えへへ……。」

美穂
「ふふっ。そういうのって、なんかいいね。」

卯月
「そっかぁ……美穂ちゃんは、ここで過ごしてるんだ……。」

美穂
「うん、ここで、夢を見てるんだ。」

卯月
「夢を……。」

美穂
「夢のステージは、1人じゃ高すぎるけどね。だから、今日は一緒にステージに立ってくれて、ありがとう。」

卯月
「うん。あっ、そういえば、聞きそびれちゃったけど……美穂ちゃんは、どうしてアイドルになりたかったの?」

美穂
「あぁ、さっきの話……うーんとね。……アイドルになる前、都会に出てくる前の私は、田舎に住んでるだけの、ただの女の子だったの。TVでみたり、ラジオで聞いたりして、キラキラした世界にちょっとだけ憧れて、いいなって思ってるだけの……。たまたま、勢いでプロダクションに手紙を送って……そのまま養成所に通うようになったんだ。そのときは、夢が叶うなんて思ってなかったんだよ。」

卯月
「私と同じだね。」

美穂
「でも、叶っちゃった! プロデューサーさんのおかげで。」

卯月
「うん!」

美穂
「私、キラキラできるなんて、思ってなかったんだ。けど、一歩踏み出したら、あこがれが形になって……。だから、もっとすてきな自分になりたいんだ。今はこれから、どんな私になっていけるかなって夢を、見てるよ。」

卯月
「美穂ちゃん……。」

美穂
「ふふっ。なんだか、恥ずかしいね。こんな話、プロデューサーさんぐらいにしか、しないから。」

卯月
「聞かせてくれて、ありがとう。美穂ちゃん。」

美穂
「ふふっ。だって、友だちだもん!」

卯月
「えへへっ!」

美穂
「ん? こんな夜に、何だろう……はーい。」

周子
「どもー。周子だよー。遅くにごめんねー。紗枝はんが、お茶淹れるって言うんだけど、2人はどうかなーって思ってさ。あ、ちなみにうちの実家のお茶菓子もあるんだけどー。」

美穂
「わぁっ、誘ってくれてありがとう! 卯月ちゃん、どう?」

卯月
「はいっ、ぜひ!」

周子
「おー。んじゃ、リビングにいるからおいでねー。」

美穂
「ありがとうございますっ!」

卯月
「みんな、優しいんだね……いいなぁ……。」

美穂
「だって、みんな同じ夢に向かう仲間だもん。お仕事ではライバルでも、それ以外のときは、仲間だよ。」

卯月
「じゃあ、私も……?」

美穂
「卯月ちゃんは、友だちだから♪さぁ、お茶飲みにいこ! 冷めちゃうよ!」

卯月
「はーい♪」

  • 最終更新: 2017/05/20 11:38
  • by 能倉ボブ